磁石製品測定方法/Measuring Method

磁石材料の基本磁気特性を測定する試験方法は、磁束密度Br、保磁力HcB・HcJおよび、最大エネルギー積(BH)maxなど、JIS C 2501に定められています。しかし、実用状態の磁石製品を日常管理する上での磁気測定法は、磁束密度測定(ガウスメーターとホールプローブの組み合わせ)、磁束量測定(フラックスメーターとサーチコイルの組み合わせ)の簡易測定法が一般的に多く利用されています。実用形状磁石の中から基準サンプルを決め、この基準サンプルとの比較測定を行います。

磁束密度(B)の測定方法/Method of Measuring Magnetic Flux Density

磁束密度の測定には、ガウスメーター(テスラメーター)とホールプローブ(ホール素子をセンサーに使用した半導体プローブ)の組み合わせが多く用いられます。

ガウスメーターは、ホール効果を利用した測定器です。ホール効果は、ホール素子に流れた電流に垂直に磁場を加えると、電流方向と磁場方向の両方に対し垂直方向に電圧が発生する現象です。ホール素子が磁場に比例した電圧を出力するため、その電圧から磁束密度に換算できます。

ホールプローブ種類、磁石に対するホールプローブの当て方・位置で磁束密度の数値が変わるため、管理する場合に注意する必要があります。また、ホールプローブに組込まれているホール素子は被膜で保護されているため、測定時は被膜分の厚みを考慮する必要があります。

マグネットアナライザーは、回転機構・リニア機構の冶具と組み合わせた測定器で、磁束密度を連続的に記録し磁束密度分布波形として出力することが可能です。

規格を決める際には、測定機器名・仕様・測定条件(ピーク値・中央部・Gap位置指定)等を明記する必要があります。

単位は、SI単位系でテスラ[T]、CGS単位系ではガウス[G]になります。

磁束量(フラックス)の測定方法/Method of measuring Magnetic Flux

磁束量の測定には、フラックスメーターとサーチコイルの組み合わせが多く用いられます。

センサーとして任意の検出用コイル(サーチコイル)を使用し、引抜法または回転法にて磁石から発生する磁束の変化を測定します。

フラックスメーターは直流増幅器とCR積分回路からなり、ファラデーの電磁誘導の法則によりサーチコイルに磁束の変化を与え、誘起された電圧を時間積分し、その鎖交磁束数に比例した電圧を下記関係式より出力して表示します。

 V=-N×(ΔΦ/Δt) ※V:誘導起電力[V]、N:巻き数、Φ:磁束[Wb] 、t:時間[sec]

1回巻きコイルの仕様(大きさ・形状等)は定められていないため、測定に用いるサーチコイルはどのような形状の物を使用しても良いことになります。一般的に複数巻きにして出力を大きくし、各製品形状や極数に合わせ、ヨークなどの磁気回路と組み合わせたものを使用します。

規格を決める際には、測定機器名・仕様・測定条件等を明記する必要があります。

単位は、SI単位系でウェーバー[Wb]、CGS単位系ではマクスウェル[Mx]になります。

その他の測定方法/Other Measurement Methods

上記測定方法以外に用途に応じて、吸着力・反発力、カップリングトルク、磁極間幅、分布波形直線性、コギングトルク、リップルなど実使用製品に応じた測定法の取り決めを行う必要があります。

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